耳掃除と肛門腺絞り。この2つのケア、頻度も手順もあいまいなまま続けている飼い主さんが意外と多いです。どちらも「やりすぎ」「やり方を間違える」ことでトラブルになるので、頻度と正しい手順を一度きちんと整理しておくと安心。耳掃除は月1〜2回、肛門腺絞りは月1回前後が基本ですが、犬種や体質によってかなり変わります。
耳掃除は月1〜2回が目安。ただし犬種や状態で変わる

耳掃除の頻度は、健康な犬であれば月1〜2回が基本です。それより多くやる必要はなく、多すぎると逆効果になることも。ただし、犬種によって耳の構造が違うため、一律ではありません。
耳の形で大きく2パターンに分かれます。立ち耳の犬は耳道に空気が入りやすく、月1回のペースでほぼ問題ないことが多いです。一方、垂れ耳の犬種(トイプードル、コッカースパニエルなど)は耳の中が蒸れやすい構造で、週1回の掃除を推奨される場合もあります。
耳掃除の頻度目安:立ち耳は月1〜2回、垂れ耳は週1〜2回が目安。愛犬の耳の状態を見ながら調整する
頻度の判断基準になるのは、耳の臭いと汚れの量です。いつもより臭いが強い、黒や茶色の耳垢が増えている、頭をよく振るようになった。こういったサインが出たら、頻度を上げるタイミングかもしれません。
うちのちくわは立ち耳なので、月1〜2回のペースでケアしています。これより頻繁にやると耳道の油分が落ちすぎて、かえって荒れるリスクがあるとトリマーさんに教えてもらいました。
月3回以上の頻繁な耳掃除は、耳道の自然な保護膜を壊して炎症・感染のリスクを高める。「念のため多めに」はNG
耳掃除のやり方。綿棒はNG、コットンで見える範囲だけ

耳掃除の手順はシンプルです。でも、「綿棒を使う」「奥まで掃除しようとする」は逆効果なので注意してください。
耳の中に液を入れ、耳の根元(外側)を10〜15秒やさしく揉む。液が耳道に行き渡る。
揉んだ後は離してあげる。犬が頭をブルブルと振って、汚れが浮き上がってくる。
見える範囲だけを、やさしく拭き取る。奥まで突っ込まない。
水分が残ると蒸れて菌が繁殖しやすくなる。タオルで軽く押さえてから自然乾燥させる。
うちでも同じ手順でやっていて、ちくわはイヤークリーナーを垂らした瞬間に頭をブルブルして逃げようとします。でもこれが汚れを浮かせてくれる動きなので、「逃げたからOK」くらいの気持ちで見ています。最初は綿棒でやろうとしていたのですが、トリマーさんに止められました。「綿棒は汚れを奥に押し込むだけだし、傷をつけるリスクもある」とのこと。
綿棒で耳の奥を掃除するのはNG。汚れを押し込んで悪化させたり、傷をつける原因になる
イヤークリーナーは犬専用のものを使います。アルコール不使用のものが刺激が少なく、初めて使う犬にも向いています。
プラチナイヤークリーナー 30ml
¥1,100〜
耳掃除の後に受診を考えるサインは、発酵したような臭い・甘い臭い、黄色や緑の耳垢、耳が赤い・腫れているといった状態です。「なんかいつもと違う」と感じたら、早めに動物病院に相談するのが安心です。
肛門腺絞りは月1回前後が目安。溜まりやすさで変わる

耳掃除の頻度が整理できたところで、次は肛門腺のケアです。こちらも「月に何回?」と迷いやすいケアのひとつ。
肛門の左右(時計の4時と8時の方向)には、肛門腺(肛門嚢)という小さな袋状の分泌腺があります。独特な臭いの分泌物が溜まり、排便時などに自然に排出されますが、溜まりやすい犬は定期的に絞り出してあげる必要があります。
頻度の目安は月1回前後ですが、個体差がかなり大きいケアです。自然に排出できている犬は絞りが不要なこともあり、逆に分泌物がたまりやすい犬は2〜3週に1回必要なケースもあります。
肛門腺ケアの頻度は「お尻をこすりつける・舐める・いつもより臭いが強くなる」サインが目安。サインが出たら絞るタイミング
ちくわはトリマーさん曰く「溜まりやすいタイプ」で、トリミング(月1〜2回)のたびにやってもらっています。お尻を地面にこすりつける動作が合図になると教えてもらってから、その行動が出たら早めに連絡するようにしました。
肛門腺絞りのやり方。最初は病院やトリマーに手本を見せてもらうのが安心

自宅で絞る場合の手順は次のとおりです。
落ち着いた状態でやるのが大切。台の上に乗せると高さがあって作業しやすい。
肛門を時計に見立てた4時と8時の方向に、親指と人差し指を当てる。少し内側に向けてつまむイメージ。
力を入れすぎず、やさしくしぼるように押す。分泌物が出てくればOK。ティッシュやコットンで受ける。
自分でやってみたことがあるのですが、場所がわかりにくくて途中で諦めました。「このあたりかな?」という感覚でやるのが難しく、今はトリミングのときにお願いしています。自宅でやるなら、最初に病院かトリマーさんに手本を見せてもらうのが確実です。
ちくわむずむずする…



あ、ちくわ、肛門腺溜まってきたかな。トリマーさんに連絡しなきゃ
安定した台の上でやると、犬も逃げにくく作業しやすくなります。
トリミングテーブル 折りたたみ 棚付き トリミング台 トリミング 折り畳み グルーミング 高さ75cm 犬用 猫用…
¥7,999〜
以下のような状態があれば、自宅での絞りはやめて動物病院に相談を。炎症・赤み・腫れがある場合、分泌物が膿のような色や臭いの場合、強い痛みがある場合は、無理に絞ると破裂リスクがあります。
肛門腺の炎症・腫れ・膿がある場合は自宅での絞りを中止して動物病院へ。無理に絞ると破裂する危険がある
やりすぎ・間違えたときのリスク


2つのケアに共通して言えるのが、「念のために多めにやる」が逆効果になること。耳掃除も肛門腺絞りも、適切な頻度以上にやると体への負担が増えるので、「異常がなければ定期ペースを守る」という意識を持っておくといいです。
耳掃除のやりすぎは、耳道の自然な保護膜(油分)を落としてしまい、乾燥・炎症・感染の原因になります。月3回以上は過剰になりやすいので注意。肛門腺の絞りすぎは、腺自体を傷つけて炎症や破裂のリスクが上がります。「溜まっていないのに念のため絞る」はNGです。
「やりすぎに注意」より「サインを見逃さない」意識の方が、実際には役に立ちます。間違えやすいのが、綿棒を使った耳掃除と、肛門腺の「なんとなく押す」絞り方。どちらも「やっている感」はあっても逆効果になっていることがあります。手順に迷ったときは、次のトリミングや診察でその場で確認するのがいちばん確実です。
まとめ:2つのケアをセットで月1回チェック
耳掃除と肛門腺絞りは、ケアのタイミングや頻度が似ているので、セットで管理するのがおすすめです。
| ケアの種類 | 基本頻度 | 自宅でのポイント | 受診サイン |
|---|---|---|---|
| 耳掃除 | 月1〜2回(垂れ耳は週1〜2回) | イヤークリーナー+コットン。綿棒はNG | 臭い・黄色や緑の耳垢・赤み・腫れ |
| 肛門腺絞り | 月1回前後(個体差あり) | 4時・8時を内側から外に押し出す | 炎症・膿・強い臭い・激しくこすりつける |
どちらも、頻度を守るより「サインに早めに気づく」ほうが実際には役に立ちます。お尻をこすりつける、耳を掻く、臭いがいつもと違う。こういった変化を見逃さないようにしておくと、トラブルが小さいうちに対処できます。
うちはトリミングのタイミングと合わせてトリマーさんにチェックしてもらい、気になることがあれば間にセルフケアを挟む、というサイクルに落ち着きました。全部自分でやろうとせず、プロに頼れる部分は頼るやり方が、負担なく長く続けるコツだと感じています。次のトリミングのときに、頻度や手順をトリマーさんに一度確認してみると、自分の犬に合ったペースがつかめます。
- 耳掃除はどのくらいの頻度でやればいいですか?
-
立ち耳の犬は月1〜2回、垂れ耳の犬種(トイプードル、コッカースパニエルなど)は週1〜2回が目安です。臭いが強くなったり耳垢が増えたりしたら頻度を上げるサインです。
- 肛門腺絞りを自分でやるのは難しいですか?
-
場所がわかりにくく最初は難しく感じる人が多いです。最初は動物病院やトリマーに手本を見せてもらうのがおすすめ。炎症・腫れ・膿がある場合は自宅での絞りはせず病院へ。
- 耳掃除に綿棒は使えませんか?
-
基本的にNGです。綿棒は汚れを奥に押し込んだり耳道を傷つけるリスクがあります。イヤークリーナーとコットン(またはガーゼ)を使い、見える範囲だけを拭くのが正しい方法です。










コメント