散歩に出た瞬間、リードがピンと張ります。他の犬を見つけると全力で向かっていくし、気になる匂いがあると道路に飛び出しかけたこともありました。
うちのちくわ(5歳)も、散歩の引っ張りがひどかった時期があります。おやつで注意を向けようとしたら、むしろ悪化しました。声で叱っても全然伝わらなくて。散歩自体がストレスに変わりかけていました。
変わったきっかけは、道具でもしつけ教室でもなく、散歩中のちょっとした習慣でした。
小型犬が散歩で引っ張る3つの理由

犬が散歩中にグイグイ引っ張るのには、3つのパターンがあります。
1つ目は「匂いが気になる」。 犬の嗅覚は人間の数千〜1万倍と言われていて、散歩中は常に鼻で情報収集をしています。気になる匂いがあると、犬に引きずられるようにリードが張ります。うちのちくわも「クン活」が大好きで、匂いを見つけると一直線でした。
2つ目は「興奮」。 出発直後のテンション、他の犬を見つけたときの反応、知らない人への好奇心。小型犬は刺激に敏感な子が多く、ちょっとしたきっかけでスイッチが入ります。うちの犬も散歩に出た直後の数分間は、ぐいぐい引っ張っていました。
3つ目が「引っ張れば行ける」と学習しているパターン。 犬がグイッとリードを張ったとき、飼い主がそのまま一緒に歩いてしまうと「引っ張る=好きなところに行ける」と覚えます。小型犬は力が弱いぶん、飼い主が引っ張りに合わせてしまいがちです。「小さいから力で止められる」と放置しているうちに、癖として定着してしまうケースは少なくありません。
大型犬なら引っ張られたら人間も引きずられるので、飼い主も本気で対策します。でも小型犬は体重が軽いぶん、「まあいいか」と流してしまいがち。その積み重ねで、散歩のたびにリードがピンと張るのが当たり前になってしまいます。
ちくわあっち気になる!行きたい!
やってみて逆効果だった2つのこと


引っ張り癖をなんとかしたくて、私たちもいろいろ試しました。でも2つのやり方は、結果的に裏目に出ました。
おやつの出し方を間違えたら、引っ張ればもらえると覚えた
「おやつで注意を向ける」は、犬のしつけでよく紹介されるやり方です。ただし与えるタイミングを誤ると、引っ張りを強化してしまいます。
うちの場合、愛犬が引っ張るたびにおやつを見せて「ほら、こっちだよ」と呼びかけていました。でもうちの犬は「引っ張ればおやつがもらえる」と覚えてしまい、むしろ引っ張りがひどくなりました。
おやつ自体が悪いわけではなく、与えるタイミングが問題。引っ張っている最中に出すと「引っ張る=おやつがもらえる」と学習してしまう
正しくは、引っ張りをやめて飼い主の横に戻った瞬間に褒める形です。「引っ張る→おやつ」ではなく、「横を歩く→おやつ」。私たちはこの違いを知らずに、逆の学習をさせてしまっていました。
振り返ると、おやつを「注意をそらす道具」として使っていたのが問題でした。本来は「正しい行動をしたあとに褒める道具」であって、引っ張りの最中に見せるものではなかったんですよね。後から気づいたときは、けっこうショックを受けました。
同じようにおやつで対策しようとしている飼い主さんは多いと思います。おやつが使えないわけではありません。「引っ張りが止まった瞬間に褒める」「横について歩いているときに褒める」のように、正しい行動のあとに使えば有効です。結局、出すタイミングが全てだったと思います。
声を強くして叱ったら、犬には「怒られた」しか伝わらなかった
おやつが裏目に出たなら、今度は声で覚えさせようと思いました。引っ張ったときに「ダメ!」と強い口調で叱っていた時期もあります。
でも犬にとって、声の「中身」はほとんど届きません。伝わるのは「飼い主の声のトーンが怖い」という雰囲気だけです。愛犬は萎縮して固まるか、逆に興奮してもっと引っ張るか、どちらかでした。
犬は言葉より動作で学ぶと後から知りました。「ダメ」と言い続けるより、飼い主の行動そのものを変えたほうがずっと伝わります。
「引っ張ったら止まる」を続けたら散歩が変わった


おやつも声も裏目に出て、じゃあどうすればいいのか。正直、行き詰まっていました。道路に飛び出しかけたこともあって「このままだと本当に危ない」と焦っていました。
そんなときに調べて見つけたのが、拍子抜けするほど地味なやり方でした。
やり方はシンプルで、引っ張ったら止まるだけ
犬がリードを引っ張った瞬間に足を止めます。引っ張り返さず、声もかけません。
犬が振り返ったり、リードの張りが緩んだりするのを待ちます。焦らず、立っているだけで大丈夫です。
リードが緩んだ瞬間に「いい子」と声をかけて、また歩き始めます。
ここで大事なのは、リードを短めに持っておくことです。ロングリードの場合は、この練習のときだけ短くロックしておきます。うちはflexiの5mを使っていますが、1mほどの短めに固定して取り組んでいました。
「引っ張っても進まない」を犬が覚えると、「引っ張る意味がない」に変わっていく
出発直後の5分が一番キツい
正直に言うと、最初の1〜2週間はかなりしんどかったです。散歩に出てすぐはテンションが高くて、10歩進むたびに止まるような状態でした。
30分の散歩のうち、最初の5分は立ち止まりの繰り返し。「本当に変わるのかな」と半信半疑でしたが、2週間を過ぎたあたりから、うちの犬の動きに変化が出始めました。引っ張ったあとに自分から振り返る回数が増えてきたんです。
1ヶ月くらい経つと、出発直後の引っ張りが目に見えて減りました。散歩の後半はリードが緩んだまま歩ける時間が増えて、「あれ、今日ほとんど止まってないな」という日が出てきたのを覚えています。
完全に引っ張らなくなったわけではありません。すれ違う犬に今でもグイッと反応することはあります。でも「止まれば愛犬が戻ってくる」という関係ができたのは、大きな変化でした。以前は散歩のたびに腕が疲れていたのが、今はリードを軽く持っているだけで済んでいます。
ひとつ注意点があるとすれば、家族全員で同じ対応をすることです。私たちは夫婦で散歩を交代しています。片方だけが「止まる」をやっても、もう片方がそのまま歩いてしまうと犬は混乱します。
「誰と散歩しても、引っ張ったら進まない」を家族全員で一貫して続けるのがコツ
この方法のいいところは、飼い主もイライラしにくいことです。声で叱っていたときは散歩のたびにお互いストレスでしたが、「止まるだけ」なら感情を使わなくて済みます。犬も怒られているわけではないので、萎縮せずに自分で考えるようになってきたように感じています。



おさんぽ楽しい〜
引っ張る犬に使っているハーネスとリード
引っ張り癖は飼い主の対応がいちばん大事ですが、道具選びも続けやすさに関わってきます。首にやさしいハーネスと、伸縮できるリードがあると、毎日の練習がぐっと楽になります。
ユリウスK9 パワーハーネスは丈夫で体にやさしい
うちはユリウスケーナイン(Julius-K9)のIDCパワーハーネスを選びました。胸と背中でしっかり支える構造なので、引っ張っても首にかかる力が分散されるのが特徴です。
小型犬は喉まわりがデリケートな子が多く、首輪で引っ張ると「ゲホッ」とむせてしまうことがあります。ハーネスなら首ではなく胸と背中で支えるので、引っ張っても苦しくありません。丈夫な作りで、引っ張りが強い子でも壊れにくいのも助かっています。うちは2年以上使っていますが、へたる気配がありません。


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¥4,950〜
flexi ニュークラシックは長さを自在に変えられる
リードはflexi(フレキシ)のニュークラシック、5mタイプです。ボタンひとつで伸び縮みするので、「練習中は短く固定、公園では長めに」の切り替えがスムーズにできます。
うちの散歩ルートは住宅街から公園へ向かうパターンが多いです。住宅街では1mほどに固定して歩き、公園に着いたら5mまで伸ばして自由に匂いを嗅がせています。この切り替えがワンタッチでできるのが便利です。手に収まるグリップ型で、急に引っ張られても手から抜けにくいのも安心。


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¥2,800〜
ユリウスK9とflexiの組み合わせで2年以上散歩していますが、今のところ他に変えたいと思ったことはありません。引っ張り癖の練習をしながら、犬にも飼い主にも無理がない道具を選ぶのが、続けるコツだと感じています。


よくある質問
- 「引っ張り防止ハーネス」を使えば引っ張り癖は直る?
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それだけでは直らないです。引っ張り防止ハーネスとは、犬が前に引っ張ると体が横を向く構造のハーネスのこと。引っ張りにくくはなりますが、犬の行動そのものを変えるわけではありません。「引っ張ったら足を止める」のような飼い主の対応とセットで使って、初めて変化が出ます。
- パピーのうちから対策した方がいい?
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早いほうがいいです。引っ張り癖は「引っ張れば行ける」という学習の積み重ねなので、散歩デビューの時期から「引っ張っても進まない」を教えておくと定着しやすくなります。
- 散歩中ずっとリードを短く持たなきゃダメ?
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いいえ。引っ張りの練習中だけ短く持てば大丈夫です。落ち着いて歩けるようになってきたら、少しずつ長さを戻していきます。匂いを嗅ぐ「クン活」は犬のストレス発散にもなるので、練習と自由のメリハリが大事です。
- 成犬になってからでも間に合う?
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間に合います。うちも始めたのは成犬になってからでした。子犬より時間はかかることもありますが、犬は何歳でも新しい習慣を覚えられます。焦らず、毎日の散歩で少しずつ積み重ねていくのがポイントです。
まとめ
犬の引っ張り癖は、おやつや声かけで直そうとするとかえって悪化することがあります。うちの場合は、「引っ張ったら足を止めて、緩んだら歩き出す」を続けたことで散歩が変わりました。
道具選びも助けにはなりますが、いちばん大事なのは「引っ張ったら進まない」を毎日の散歩で続けることでした。
明日の散歩で、愛犬が引っ張ったら3秒だけ立ち止まってみてください。それだけで、何かが変わり始めるかもしれません。










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